今は昔、相模原の栄華を誇った水郷田名の街の生き字引。

歴史と伝統を守り続ける割烹旅館・旭屋。

IMG_2198川に愛され、鮎が踊り、人が笑いあったあの頃の水郷田名の話。

女将である深雪さんの口から出てくる知られざる田名。

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そして今、旅館でありながら多くの市の観光土産品を開発し、相模原の観光を引っ張る名物女将と、地元民代表ひよしや二代目ともひろとの熱いトークをお届けいたします。

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レポーターの幼少期の話まで飛び出す究極インタビュー。

長過ぎるので、心してご覧ください。

「私、こよなく相模原を愛する人になっちゃったんだよね。」

インタビュー=ひよしや二代目

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●まずは、なんで“旭屋”っていうんですか?

「私が六代目の女将なんだけど、江戸末期に創業した人が旭屋ってつけたんだよ。ともちゃん(=レポーター)たちも持っていたでしょう?『私たちの相模原』っていう教科書。その教科書には八王子から大山まで行く人たちが川の流れが強くて渡れないときに、旅籠に泊まっていた様子が書いてあったと思うんだけど、その旅館の一つだったんだよ。あの時は“江成家”って言う名前だったのかな。そういうのが教科書に書いてあって、うちの子たちは社会の勉強する時にうちが出るから「優越感が味わえる」って喜んでいたよ。」

●そんなのもあったね。水郷田名の地に生まれてずっとここに住んでいるから自分は知っているけど、今はよく「なんであんな所に旅館があるの?」って聞かれるんですよ。

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「“あんな所”じゃなくて、ここは、元々旅館があったところに、あとから住宅が出来てきているのにね。」

●おばあちゃんからは、昔は色々芸者さんがいて栄えたところなんだって言われて育ったんですよ。昔は相模原駅よりもこっちのほうが栄えていたって。

「ここが唯一の相模原市の観光地だったんだから。他に遊ぶところもなくて、男の遊び場だったんだから。」

●今は面影もないですよね。

「だから今の80歳後半ぐらいの人達は、「ここは男の遊び場だから女の来るところじゃなかったんだよね」って言うもん。でも今は女性のお食事会もできたりで、時代は変わったねって言っているよ。」

●いつごろから水郷田名は元気がなくなってきたんですか?

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「上の道(県道)。あの道が昭和57年にできてからだね。それまではこの水郷田名の中を通らないと、川を渡れなかったの。最初はみんなのんきに「バスや車が軒先通らなくなって静かでいいね」なんて言っていたんだけどね。実際、冗談じゃないわよって感じだった。道向こうに出来たおかげで、みんな素通り。そこからだね。」

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●水郷田名の中を全く通らなくなったんですね。

「昔の人たちは憧れだったんだって。夕方になると、芸者さんが着物着てお座敷に出て行くところが見られるから、そのうち大人になって一回は入ってみたいなとか思いながら通っていたんだってよ。」

●小さい頃は、まだ盛田屋さんがあったりしたけど、今は旭屋一軒になっちゃいましたよね。

「元は盛田屋、旭屋、大黒屋、松本って4軒の旅館があって、4軒ともみんな屋形船を持っていたんだよね。ここって山があって川があってと自然に恵まれているでしょう。歴史もあるし。だから私はもったいないなって思ったんです。こんなに環境に恵まれているところは大事にしたほうがいいよって。そう思って一生懸命やっていたらうちしか残らなかったの。」

●女将さんが来てすぐの水郷田名はどんな街だったんですか?

「オイルショックの頃かな。トイレットペーパーとか、石油をみんな買い漁っていて。その頃はお札が飛び交っていたりして、びっくりしたね。当時は芸者さんがここら界隈で70人くらいはいたかな。」

●確かに、年長とか小学校上がるくらいかわかんないけど、それぐらいの頃はまだいたもんね。

「いたいた。平成8年まではいたの。芸者さん。」

●街中になんでこんなに着物を着ている人がいるの!?って思ったもん。

●そういえば昔は川が綺麗だったよね。

「そうだね。川の近くにスイカの匂いがぷんぷんしてくる場所があって、そういうところには鮎が沢山いると言われているの。鮎のことを香魚っていうのはそういうことなんだよ。鮎は生きているときは、スイカの香りがする。焼いているときは、香ばしい良い匂いがするんだよ。」

●川あっての水郷田名だったんですね。

「うん。元々は献上するような鮎がとれて、ずっと川とともにあるんだよね。川とともにあるってことは、鮎とともにこの町が栄えているんだなって思うの。そこから鮎でおせんべいを出したいなって思ったんだよね。

●鮎せんべいのことですね。これは深雪さんが考えたの?

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「自分で考えた。本当にゼロから自分で考えた。昔、鮎最中ってあったでしょ。」

●あった!鮎最中。

「今の人はあんまり知らないけど、美味しかったんだよね。上あごにくっついちゃうようなさ。それが作っている人のこだわりだったのよ。皮がくっついちゃうの。ああいうのを最初作ろうと思ったの。」

●でも結果、せんべいになったんですね。

「鮎でおせんべいを作りたいなってずっとどこかで思っていたの。そしたら江ノ島で売っているたこせんべいを知ったんです。テレビ番組で江ノ島をぶらぶら歩いて、食べるシーンがあって。そこで作っているのを見て「これだ!こんな感じで鮎せんべい作ってみたい!!」って思ったの。それですぐに江ノ島に食べに行ったの。」

●行動が早いですね。

「でも、がっかりして帰ってきた。「あー、鮎じゃ無理だ」って。だってタコやイカは骨ないでしょ?そこのおじさんに聞いたら「魚なんて無理だよ。」って言われたんだけど、どうしても諦められなかった。それで重くて底が平らでクレープも焼けるようなフライパンがちょうどあったから、同じようなフライパンで上と下で挟んでギューってやって作ってみたら、何となく思ったものができたんですよ。それが始まりで、今の形まで行き着きました。」

●鮎は相模川で獲れたものなんですか?

「相模原産だよ。」

●他の原材料も相模原産ですか?

「山芋は相模の長寿芋があってそれを使っているの。ただ鮎は、もし相模川でとれなかったらどうするのかもあるから、神奈川県産って書いて。うちには小田原とか大和とかの色んなところの養魚場から来ているから。絶対にそれ以外はあり得ないからちゃんと正しい謳い文句にしたの。」

●そうやって出来上がったんですね。

「そうそう。」

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「田名に来たら、うちで塩焼きを食べさせて帰してあげたいな」

●梶山君(編集長)との出会いもこれらの商品の販売だったと聞いていますけれど。

(編集長:いやいや、いいですよ。その辺の話は)

「これらの商品は市の観光認定品として、開発費など補助を受けているので、完成後にはイベントに出て売らないといけなくて、そこで梶山君と出会ったんです。市の宣伝マンとして3年間イベントのたびに一緒に売っていたよね。」

●市の観光協会のブースで、梶山君たちが観光パンフレットを配って、隣でおかみさんが商品を売る。

「そう。鯉のぼりや橋本七夕、上溝まつりとか。」

●イベント出店とか好きそうですもんね。

「一番初めにダチョウジャーキーを作って販売したときに嫁に出した娘を思う母のような感じになったの。美味しかったのかな?どうだったのかな?って。それがイベントに行くと、その場で試食してもらって、買ってもらえるじゃない。顔が見えて美味しいとか不味いとか言ってくれる。そのほうが安心だし、今後にも繋がってくる。ジャーキーはお肉屋さん、ダチョウの卵はお菓子屋さんに頼んでいるけど、鮎せんべいに関しては、自分で作っているの。世の中誰もやってないことを自分で勝手に考えて作るわけだからいろいろ大変だった。タコやイカは乗っけてギューってやればせんべいになるんだけど、鮎の場合は開いて、干して、焼いて、蒸して。」

●蒸すの?

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「蒸すの。お魚はしばらく置いとくと油が出てくるの。それが酸化して臭くて食べられなくなっちゃう。だからそれを防ぐために蒸すの。先に塩焼きして風味を出す。うなぎを蒸して焼くのと逆の工程。焼いて蒸して油を抜いて、日持ちがするように加工するの。」

●すごいね。そこまで考えて作るなんてさすが認定品だね。

「私は、こよなく相模原を愛する人になっちゃったんだよね。一人で相模原の宣伝マンだと思っているんだけど、そこには水郷田名ありきで、相模原にはもっとこういう歴史や文化があることを、相模川の恵みをもっと知ってもらいたい。相模原を発信する役をずっと続けていきたい。その中でもやっぱり鮎をね。本当は鮎を食べながら歩く街にしたいと思っていたの。だけどうち1軒になっちゃったからね。残念だよね。1軒でいくら頑張っても華やかじゃないんだよね。」

●確かにもうちょっと周りに店があればねえ。

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「何軒かあると、花火や鯉のぼりの時なんかに来て、うちに入れなかったら他を案内できる。そうすると「とにかく水郷田名に行けばどこかのお店に入れるから行ってみよう!」っていう気になるじゃない。1軒だと色んな魅力を出そうにも難しいよね。今はこういう高級感が少しある感じになっているけど、田名に来たら、うちで塩焼きを食べさせて帰してあげたいなっていうのが私の望みです。」

●もっとたくさんの人に水郷田名に来てもらいたいよね。

「そうだね。せっかくここまで来て、何も食べずに帰すのが申し訳ないといつも思う。鯉のぼりのイベント時とかに期間限定でランチとかも始めていてね。一生懸命働いて、もっと相模原を、田名を盛り上げていきたい。」

●これからの活躍に期待していますね。今日はどうもありがとうございました。

<お店インフォメーション>

住所:相模原市中央区水郷田名2-14-1
TEL:042-762-6262
FAX:042-763-0063
MAIL:ナシ
営業時間:10:00~21:00
定休日:不定休
駐車場:アリ
ホームページ:http://asahiya6262.com/

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