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光工房
- 2016/3/19
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今回は陶芸教室さんをご紹介します。場所は中央区弥栄。
すぐ近くに閑静な住宅街がそびえるこの地区に、ポツンとあるお店、光工房である。
光とかいて“あかり”と読む。
聞けば20年以上続いている工房だとか。
年季が入った外観とは裏腹に、中に入れば自由気ままな空気が滲み出る優しい雰囲気の中、たくさんの生徒さんが。
今回は、その得体のしれない魅力をお届けしたいと思います。
インタビューは陶芸教室の生徒さんが行います。
それではどうぞ。
「一番贅沢だと思いませんか?自分で作った器で自分で作ったものを食べる。」
インタビュー:教室の生徒さん
「そうです。出身は沖縄だけど、今はこっちのほうが長いです。」
●相模原に住んでからどれくらいですか?
「もう39年くらいになります。」
●店名の読み方が珍しいですよね。
「光と書いてあかりと読みます。」
●こちらの名前をつけられた由来というのは?
「昔はナッツ工房という名前だったんです。なぜナッツかと言うと、私の本名が石栗なんですよ。それで最初はナッツってつけていたんですけど、その時は個人事業だったのね。平成13年に法人化した際に、色々相談して「焼き物っていうのは火を使うし、みんなにあかりを灯し、ホットな気持ちを与えるということで、光(あかり)って名前がいいんじゃないか」って言われて決めました。」
●なるほど。この教室の一押しのポイントは何ですか?
「特徴は教室が10時から17時までやっていて、自由なタイミングでいつ来ても構わないところですね。」
●教室をやられていて「良かったな」と思うことはどんなことですか?
「こういうのって定年がないじゃないですか。元気だったらずっと続けられるし、生徒さんたちとのコミュニケーションというか、繋がりがいつでもあるからいいと思いますね。」
●最近ですとアートイベントが相模原でも多くあると思いますけれど、そういったものには参加されないんですか?
「すごく難しいの。焼き物の世界って。そういうイベントに出すとすごく安いじゃないですか、金額が。焼き物って簡単に100円とかで出すようなものじゃないので、あんまりイベントには参加したくないんですね。焼き物に対してのプライドがあるんです。生徒のみなさんもプライド持つくらいの技術とか技法を持っていらっしゃるから、その辺の簡単なイベントに出ることは考えていません。イベントを選ばないと、価値がそれの価値になっちゃうんですよ。焼き物の世界ってすごく難しいんですよ。」
●なるほど。ちなみに窯って焼くのにも時間がかかりますよね?
「そうですね。2回焼くんですよ。素焼きして、削って、乾燥させて、上薬をかけて、もう一回本焼き。だから工程が長いんですよね。知らない方はすぐできると思っているけど、極端な話、1つの作品が焼きあがるのに1ヶ月かかります。」
●そうですよね。だから何作っていたか自分でも忘れちゃう(笑)。「え、これ私の?」みたいな。窯に入れたり出したりするのは全て先生だからさ。出来上がりを気長に楽しみに待つんですよね。
「やはり出来上がった時が一番楽しみよね。良い悪いは別としてね。」
●良くても悪くても使うのが楽しいじゃないですか。食卓などに並ぶわけですから。
「だって一番贅沢だと思いませんか?自分で作った器で自分で作ったものを食べる。こんな贅沢なことないですよ。」
●まぁ思ったようにはなかなかいかないけどね。
「簡単に出来ないですからね。時には3ヵ月に1回しか出来なかったりするわけだから。昨日作って今日もう出来たっていうのと違うからね。」
●出来上がりも色次第だね。あーいい感じ!っていうこともなかなかないですもんね。
「何十年やったってないですよ。何十年やっても本当に気に入るのが出来るのは1個か2個ですよ。」
●絵を描いて、下書き上手くいったけど色塗ったら失敗とか。
「だから作家さんなんかでも、そうやって納得いかなかったりするじゃないですか。そういう世界なんですよ。これでいいっていうのがないから。焼き物の世界は一生勉強だから。」
「下手だからどうのこうのじゃないですからね。陶芸はその人なりの個性があるから。」
「ないですね。ない。こういうとこって結構色んな人が来るから、揉めたりはしないけど色々あるじゃないですか。でも20何年やっていても、良い教室なんですよね!(笑)」
●気軽な感じがいいんじゃない?こうじゃないとダメ、ああじゃないとダメっていう堅苦しさがないっていうか。
「普通、陶芸教室って厳しくて色々とうるさいんですよ。でもうちはほら、テレビも観られるし、喋っているし。本当はしーんとなってね、先生がついて、それはこうでこれはダメとかって言いますけど、うちは自由にできるから。まぁ最初の入ったばかりの時はカリキュラムに沿って教えます。」
●最初は一通り教えてもらって、それが全部終わってから自由なものを。それでまたやりながら尋ねて、教えてもらいながらやる。
「忘れていたところに“こうやるの”とかアドバイスして。うちはみんな長いから、私がいなくてもいいんですよ。別にほっといても。だって私なんかより上手だもの。こういうのってさ、5年しか経験していなくても上手な人もいるし、それで下手だからどうのこうのじゃないですからね。陶芸はその人なりの個性があるから。」
●先生はいつまでここを続けられそうですか?
「それは何とも言えないよね。」
●自分では大体この辺までかなってのはあるの?だってもう70歳超えているでしょう。
「いや、元気だったら100歳までやるつもりだけどさ。」
●大変なのは窯の出し入れだよね。
「極端な話ね、足がダメでも、座って作ることも出来る。ただ窯に入れたり出したりとか、そういう体力的なことが出来るかってことなんですよ。」
●そういえばメディアの取材で、沖縄のほうにも工房を新設予定だと。
「はい。」
●もう作り初めているの?
「まぁ工房ってほどのもんじゃないんだけど。今はまだ悩んでるところです。」
●行ったり来たり大変そうですしね。もしそうなったらここは・・・。
「それで私ね「ここやらない?」って言おうか考えてはいるの。みんなの居場所として、残っていてほしいとは思っているからね。」
●先生からそう言っていただけるととても嬉しいです。今日はありがとうございました。
<お店インフォメーション>
住所:相模原市中央区弥栄2-14-22
TEL:042-776-7775
FAX:042-776-7775
MAIL:ナシ
営業時間:10:00~17:00
定休日:金曜
駐車場:3台
ホームページ:ナシ
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